複数の記事や資料を作っていると、「Web」と「ウェブ」、「問い合わせ」と「お問合せ」のような表記ゆれが増えていきます。人名、商品名、専門用語は、一文字違うだけでも確認の手間や誤解につながります。
生成AIは文章から表記候補を拾い、用語集の下書きを作る補助に使えます。ただし、AIが一般的な表記へ勝手に直すこともあるため、正式名称や組織のルールは人が確認しなければなりません。この記事では、原文を根拠に用語集を作り、文章へ反映する手順を紹介します。
用語集を作ると文章の確認が楽になる
用語集は、文章で使う言葉と表記ルールを一覧にしたものです。単語の意味を説明するだけでなく、「どの表記を採用するか」「使わない表記は何か」まで決めます。
- 会社名、サービス名、商品名の正式表記
- 人名、部署名、役職名
- 専門用語と略語
- 漢字とひらがなの使い分け
- 英数字の大文字・小文字、全角・半角
- 日付、時刻、単位の書き方
毎回記憶で判断せず、同じ基準へ戻れることが用語集の利点です。
最初に集める表記の種類
| 種類 | 確認例 | 根拠にするもの |
|---|---|---|
| 固有名詞 | 会社名・商品名・人名 | 公式表記、依頼資料 |
| 専門用語 | 略称、業界用語 | 社内資料、一次情報 |
| 一般表記 | Web/ウェブ | 媒体の編集方針 |
| 送り仮名 | 申し込み/申込み | 既存記事、表記ルール |
| 数字・単位 | 10%/10パーセント | 媒体と読者に合う形式 |
| 禁止表現 | 根拠のない最上級 | 広告・ブランド方針 |
用語を増やしすぎると更新できなくなります。最初は、間違えると困る固有名詞と、頻繁に揺れる表記から始めます。
生成AIへ渡す前の準備
基準となる資料を決める
公式サイト、商品資料、社内の表記ルール、承認済みの記事など、優先する資料を決めます。複数の資料で表記が異なる場合は、AIに多数決をさせず、確認事項として残します。
機密情報を除く
未公開の商品名、顧客名、個人情報を外部サービスへ入力しないようにします。共有できる資料だけを使い、必要なら同じ記号へ置き換えます。準備方法は生成AIに入力する仕事の情報を匿名化する手順も参考になります。
文章を用途ごとに分ける
ブログ、広告、契約書、社内メモでは、適切な表記が同じとは限りません。一つの用語集に混ぜず、対象媒体や読者を明記します。
生成AIで用語集を作る6ステップ
1.抽出する範囲を指定する
「表記を整えて」ではなく、固有名詞、専門用語、略語、数字、送り仮名など、拾う対象を決めます。文章の内容を要約させる必要はありません。
2.候補と原文を一緒に出させる
候補語だけでなく、実際に使われている表記、出現箇所、短い原文を表へ入れます。原文へ戻れる状態を作ると、AIによる言い換えを見つけやすくなります。
3.表記ゆれをグループ化する
同じ意味と考えられる候補をまとめます。ただし、人名や商品名が似ているだけで同一とは限りません。判断できないものは「要確認」にします。
4.採用表記と理由を人が決める
正式名称、既存の編集方針、読者の分かりやすさをもとに採用表記を決めます。「AIが選んだから」ではなく、確認できる理由を一言残します。
5.使用例と使用しない例を付ける
単語だけでは迷いやすいため、短い使用例を加えます。略語は初出で正式名称を併記するなど、文章中の扱いも決めます。
6.対象文章へ反映して再点検する
一括置換の前に、別の意味で使われていないか確認します。置換後は見出し、本文、画像内文字、リンク文、抜粋を点検します。文章全体の確認にはブログ記事を公開前に校正する方法も役立ちます。
AIへ依頼するときの指示文例
以下の文章から、固有名詞、専門用語、略語、数字・単位、表記が揺れている語を抽出してください。文章の内容は書き換えず、「候補グループ」「実際の表記」「原文」「段落番号」「採用表記案」「確認事項」の表にしてください。正式表記が資料から判断できない場合は推測せず「要確認」としてください。
採用表記案はあくまで候補です。ブランド名や専門用語は、公式資料と照らして人が確定します。
架空の文章から用語集を作る例
次は説明用に作成した架空の例です。実在する商品や組織のルールではありません。
B1:Sora Workのウェブ版を公開しました。
B2:SORA WORKでは、問い合わせ履歴を確認できます。
B3:お問合せ内容はWeb管理画面へ保存されます。
B4:利用者は10人まで登録できます。
| 候補 | 表記ゆれ | 採用表記 | 確認 |
|---|---|---|---|
| サービス名 | Sora Work/SORA WORK | 要確認 | 公式ロゴ・資料を見る |
| Web | ウェブ/Web | Web | 媒体ルールに合わせる |
| 問い合わせ | 問い合わせ/お問合せ | 問い合わせ | 見出しも統一 |
| 人数 | 10人 | 10人 | 上限か現在数か確認 |
サービス名は一般的な表記へ直さず、公式情報を確認するまで未確定にしています。また、10人という数字は表記だけでなく、意味と条件も別途確認します。
用語集へ入れない方がよいもの
- 一度しか出ない一般的な言葉
- 文章ごとに意味が変わる曖昧な言葉
- 根拠を確認できないAIの言い換え
- 個人情報や秘密情報そのもの
- 媒体ごとに使い分ける表記を説明なしで混ぜたもの
すべての単語を登録するのではなく、繰り返し使い、間違えやすく、確認コストが高い言葉を優先します。
用語集を更新するタイミング
新商品や新しい担当者が加わったとき、既存記事のリライト前、複数人で制作を始める前に更新します。更新日と確認者を残し、古い表記を消す場合は変更理由も記録します。
生成AIで既存文章を直す場合も、先に用語集を渡し、変更後に原文と照合します。意味を変えずに整える流れは生成AIで文章をリライトする方法、数字や名称の抽出は数字・日付・固有名詞を抽出する方法が参考になります。
まとめ
生成AIは、文章から表記候補を拾い、用語集の下書きを作る補助に使えます。候補語、原文、出現箇所、採用表記、理由、確認事項を一緒に残しましょう。
正式名称や専門用語をAIだけで決めず、公式資料と編集方針を人が確認することが重要です。まずは頻繁に使う固有名詞と、毎回迷う5〜10語から小さく始めると続けやすくなります。


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